鬱病患者、行方不明になって警察のお世話になる

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小さい頃から、私にはちょっとした家出癖のようなものがありました。
「ああ、なんか嫌になっちゃったな。ふらっとどこかに行ってしまいたいな」という感覚になることは、誰でもあるのではないかと思います。
私の場合、精神的に落ち込んでいると、それを無意識に実行してしまうことがあるのです。

小学生の頃、両親が共働きだったものの学童保育を利用していなかった私は、末っ子ということもあっていつも一番最初に帰宅していました。
基本的には真面目に宿題をしたり、母親が用意してくれていたおやつを食べたり、テレビを見たりして過ごしていたのですが、学校であった嫌なことをふと思い出して、何も手につかなくなることが時々ありました。
そんなときは、行くあても無く外に出てフラフラと歩き回り、10分ほどで我に返って帰宅するということをやっていたのです。

私のこの行動は、成長とともに治まるどころか酷くなります。
高校生にもなると、深夜に宿題やテスト勉強で全く分からない問題があったときなど、「あー、もうダメだ。どっかに消えてしまいたい。逃げたい」という考えに頭を支配され、これまた30分ほど外をフラフラと歩き回り、はっと我に返っていそいそと帰宅するという行動を起こすようになりました。
今思えばよく一度も警察に補導されなかったな、と思うのですが、このとき私は街灯も少ない田舎の道を半分無意識に徘徊しており、「あれ?ここはどこだ?」と危うく迷子になりかけたこともあったのです。

大学に入って一人暮らしを始めると、一旦この悪癖は治まります。
おそらく、一人住まいで誰からも文句を言われない自宅アパートそのものが「逃げ場」だったのでしょう。

しかし、その後就職し、結婚して妻や子供と暮らすようになってから、時々この家出癖がより悪化した形で再発するようになります。
鬱状態が悪化しているときだと、ちょっとした家事の手順間違いや失敗をしただけで「自分はなんて使えない人間なんだ、この家にいても何の役にも立たないお荷物だ、出ていこう」という考えに頭を支配されてしまい、そんなときは靴も履かずにフラフラと家を出てしまうことがあったのです。
とはいえ、だいたい未遂で妻が気付いてくれたり、暖かい時期の昼間だったりで、大きな問題にはなりませんでした。

ところが、2018年1月中旬のある日のことです。
このとき私は鬱により会社を休職し、その休職期間中に発達障害検査がスタート。
合計4回の発達障害検査のうち、3回目の検査を控えており、将来への不安から精神状態が非常に不安定になっていました。

そんな折、ちょっとしたことで強烈な無力感にとらわれてしまった私は、妻が夕食を作っていた午後6時ごろ、寒い中上着も着ず、財布も家の鍵も持たずに家を出てしまったのです。

フラフラと歩いてふと我に返った私は、自分が全く知らない場所にいることに気付きました。
ここはどこだろう?とポケットに入っていた携帯電話を見ると、妻から大量の着信とメッセージが。
時刻を確認すると、家を出てから40分ほど経過しており、これは急いで帰らなくては、と考えました。
しかしその瞬間、携帯の充電が切れてしまいました。

ここで私は、物凄く寒いことに気付きました。
それもそのはず、1月の寒い夜にもかかわらず部屋着のスウェット1枚しか着ていなかったのです。
暖を取ろうにも住宅街でお店は何もなく、財布がないから自販機の缶コーヒーを買うこともできません。

自分の居場所も分からないうえ、妻からの連絡は結果的に全て無視。
これはまずいことをした、早く帰って妻と子供に謝らなくては、と思い、道行く人に方角を聞いて、なんとか帰宅することができました。

ところが、家には鍵がかかっており、駐車場を見ると車がありません。
家の鍵を持っていない私は困り果てて、ダメ元で携帯の電源を入れてみました。
すると、幸運にも充電1%で起動したので、妻に「でんちぎれ」「いえにいる」とだけメッセージを送ることができました。

さて、携帯は完全に電池切れになってしまい、寒い中妻の帰りを待つしかありません。
それから10分~20分程度待ったでしょうか、うちの車が帰ってきたと思ったら後ろにパトカーもついてきました。
心配した妻が、子供と一緒に警察に行っていたのです。

私の状態は妻から警察官の方に説明があったようで、「自分の体を大切にしなさい、薬をちゃんと飲んでしっかり休む、家族がいるんだから」と言われました。
私自身の体感では短い時間の出来事でしたが、妻にとっては地獄のような時間だったのではないかと思います。

私を心配した妻は、色々な人に私から何か連絡がないか、どこに行ったか心当たりがないかと聞いて回ってくれていたようで、携帯を充電すると、共通の知人から安否を心配するメッセージが届いていました。
本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまいました。

自分でもうまく制御できないので、「二度と家出しない」と断言するのは凄く難しいのですが、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、家族に心配をかけるようなことは極力避けようと強く思いました。
そして、この一件で私はしっかり休むことを心がけるようになり、気持ちも新たに発達障害検査の続きに望むことになりました。

続きはこちら↓

【発達障害検査】3・4週目 ロールシャッハテスト、P-Fスタディ、MSPA
私が受けた「大人の発達障害」の検査について、今回は全4回の検査のうち、後半の3回目・4回目について書きます。 ただ、後述の通り、私の検査は当初予定されていた4回では終わりませんでした。

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