スポンサーリンク

「子供が発達障害だから小学校の支援学級に入れられる!普通学級がいいのに!」みたいな話

特別支援学級を嫌がって自分の子供を普通学級に入れさせたがる親が存在することは知っていましたが、身近なところにも実際にいたことが分かってドン引きしています。
私なんかは当事者として完全に「自分の子供が支援学級に入れて良かった」「自分の頃は発達障害で特殊学級に入るなんて選択肢はなかった、いい時代になった」という感覚でいるので、今回はそのへんについて書いてみます。

スポンサーリンク

かつての「特殊学級」のイメージ

私を含む、小学生の子供がいる親世代の多くは「特別支援学級」よりも「特殊学級」という呼び名に馴染みがあると思います。
そして、(これは地域などによって異なるかもしれませんが)あくまで「知的障害のある児童のためのクラス」という認識の方も多いのではないでしょうか。
私自身、通っていた小学校の「ひまわり学級」にいたのは、基本的に多少なりとも知的な遅れがあることが明らかな生徒だけでした。

私はこのブログの過去記事でも書いてきたとおり、幼少時から発語や音読、対人コミュニケーションに難がありましたが、学業成績はかなり良い方だったため、小学生の頃にこの「特殊学級」に通うという選択肢は全くなかったのだと思われます。

発達障害の過去話・小学校編① 苦手だらけの生活
近所の公立小学校に進学した私は、勉強は得意だったもののスポーツはかなり苦手で、それ以外にも幼稚園時代から引き続き、日々色々なことに困っていました。 当時は全く自覚していませんでしたが、発達障害の特性により、普通なら問題にならないようなこと...

しかし、私はその実「授業中は立ち歩きたいのを必死に我慢しているので先生の授業は頭に入っていない」「体育の集団競技はルールが全く理解できずまともに参加できない」「教科書の音読では読むべき1行以外の箇所を隠さないと読めない(自作の器具により4年生でようやく克服)」という状態でした。
テストの点が良かったのは、学習の大部分を丸暗記で乗り切っていただけだったのです。
そのため、受験して中高一貫校に入ったにもかかわらず、「小学生の頭で丸暗記できるレベル」を超えた学習内容には全くついていけないことが露呈し、一時期は完全な落ちこぼれになってしまいました。

スポンサーリンク

現在の「特別支援学級」

一方、現在の「特別支援学級」は、かつての特殊学級とは趣が異なります。
特殊学級の呼び名が特別支援学級に変わったのが2006年のこと。
そして、どのような場合に特別支援学級の対象となるのかは、以下のとおり学校教育法第81条(※抜粋。太字・下線は管理人による)に定められています。

一 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。
② 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校には、次の各号のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。
一 知的障害者
二 肢体不自由者
三 身体虚弱者
四 弱視者
五 難聴者
六 その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの

知的障害をはじめ、一~六に列挙された障害に該当しなくても、「教育上特別の支援を必要とする」のであれば、特別支援学級に入るかどうかは柔軟に決められるように書かれています。
これが大きなポイントです。

スポンサーリンク

「通級」という第3の選択肢もある

1993年に正式なものとしてスタートし、現在は全国的にかなり一般化しているのが「通級による指導」です。
「普通学級で全ての科目を受ける」あるいは「特別支援学級で1日中ずっと過ごす」のではなく、授業ごとに普通学級で皆と受けたり、特別支援学級で少人数で受けたりするのが通級です。

我が家のグレーゾーン長男のケース

私の長男は現在小学1年生です。
明確な診断はついていないものの、発達検査で発達の大きなバラつきが指摘され、いわゆる「発達障害グレーゾーン」として幼稚園の頃から療育に通っていました。
現在は小学校で通級による指導を受けつつ、週に2回、放課後等デイサービス(※要は障害児向けの学童保育みたいなもの)に通っています。

その長男が幼稚園年長の時点で、私と妻は「特別支援学級か通級か、少なくともいきなり普通学級はありえない」という認識で一致していました。
同世代の子と比較してできないこと・苦手なことの多さや、学習に関する興味関心のバラつき、何より「声かけがなければできないことが多い」ということを考えたときに、定型発達の同級生30人以上と一緒に授業を受けさせるのは本人にとって多大なストレスになることが容易に想像できたのです。
そして、年長の夏ごろに実施された就学相談でも通級を提案され、特に何事もなくそのように決まりました。

【就学相談】発達障害グレーゾーン長男の小学校入学に向けて
私の長男は、広汎性発達障害の境界域(グレーゾーン)と診断され、幼稚園に通いながら療育や理学療法のリハビリに通っています。 現在は私立の幼稚園ですが、来年の春からは近所の公立小学校に通う予定です。 その進学に関し、先日、就学相談に行ってき...

ところが、この就学相談で「自分の子供は普通学級に行かせろ」とゴネる親がいるという話です。

親のエゴで子供を不幸にするな

子供を普通学級に行かせたいという気持ち自体は理解できます。
最初に書いた通り、旧来のイメージで考えてしまうケースは多いでしょうし、いじめの心配等もあるでしょう。
しかし、目先のことではなく長期スパンで子供の将来のことを考えるのであれば、発達障害傾向のある子供を普通学級に丸一日いさせるのはデメリットが大きすぎると思います。

発達障害のある子は、勉強にせよ何らかの作業にせよ、手順を理解するのに何らかの補助が必要だったり、長い時間がかかるような場合が多いです。
しかし、30~40人が在籍する普通学級では、1人にそのようなリソースを割く余裕はありません。

結果どうなるかというと、「誰かがやってくれる」か「できないまま放置される」のどちらかが常態化するおそれがあります。
「自分でやらなくてもいいや」と受け身になるか、「どうせできないから」と自信を喪失するか、いずれにしても将来的に本人のためにならないことは間違いないでしょう。
最悪の場合、「1日中ずっと全く内容が理解できない授業に座っているだけ」ということにもなりかねません。

以前、Eテレの番組に絡めて「子供を発達障害だと認めない親」に対する批判めいたことを書きましたが、それと同じく、「うちの子は普通学級に行かせてください!大丈夫なので!」というのは完全に親の見栄でしかないと思います。
発達障害傾向のある子供を無理やり普通学級に通わせると、親はそれで満足でも当の本人は「支援学級に行ってるわけでもないのに普通のことが全然できない奴」のレッテルを貼られるのです。

ウワサの保護者会「発達障害かも…どうすれば?」感想 & 当事者の体験談
今月、NHKが「発達障害って何だろう」というキャンペーンを行っていますが、その中でも一番気になっていた番組が、Eテレ「ウワサの保護者会」の、「発達障害かも…どうすれば?」の回です。 本放送は見逃してしまったのですが、今日やっていた再放送で...

発達障害児の目標ラインをどこに置くか?

最近見たWeb記事にも同じ趣旨の内容が書かれていたのですが、発達障害を抱える子供にやってあげるべきことは「小学生の時点で同級生と同じようにやらせること」ではなく、「とりあえず18歳の時点で同級生と同じ選択肢が持てるようにすること」だと思っています。
自身や友人の経験からして、発達障害といっても「苦手なことが一生できない」ということは決してなく、私は現在30代ですが遠回りしつつも結構色々できるようになるというのは実感しています。
なんせ私は「人と話している途中にいきなりその場を立ち去ったらダメなんだ」と理解したのが中学生になってからですし、「大きい声で挨拶をするだけで人間関係が円滑に回るんだ」と気付いたのは転職して2社目の会社に入った20代後半の頃です。

最終的な目標地点を「お金を稼いで自立できる大人になること」に設定するのであれば、小学校の勉強が同級生と全く同じにできる必要はないはずです。
むしろ、遠回りしてでも特別支援学級で丁寧に学習を進めることでこそ、18歳になった時に「勉強したい学部がある行きたい大学等に行く」という選択肢が選べる可能性が高くなるのではないかと思います。
これはもちろん就職でも専門学校でも何でも構いませんが、「そもそも大学進学という選択肢がない」のとはやはり違うでしょう。

私自身だけでなく、親戚や友人、SNSで知り合った方の中にも、幼少時から苦労を重ねて「自分も小さい頃に発達障害ってのが知られてればなあ」という思いを持つ当事者はたくさんいます。
小学校入学時は特別支援学級スタートでも、卒業するころには普通学級で1日過ごすようになるというケースもあるようです。
子供に不要な苦労をさせたくないのであれば、就学相談等で特別支援学級を提案されたならぜひ「親の立場」よりも「子供の選択肢が増えること」を優先してあげてほしいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました