【体験談】「障害者雇用の仕事は楽」は本当か?

先日、ふと思いつきで「障害者雇用 楽」で検索してみたところ、「障害者雇用はやめとけ!絶対に自立できないような安い給料でひたすら単純作業をやらされるだけだ!」的な方向性のブログ記事を目にしてしまいました。
これは人によって様々な結論がありえるテーマだろうと思うのですが、私としては障害者雇用の枠に入ることでようやく救われた感があり、「障害者就労は絶対NG」的な考えにはあまり賛同できないので、個人的な考えを書き残しておこうと思います。

私は34歳のときに発達障害(ASD)の診断がついた男性です。
その後障害者雇用専門の転職エージェントを利用して仕事を探し、今年の5月から障害者雇用で働いています。
その求職活動については「障害者雇用」のタグでまとめていますので、興味のある方はお読みいただければと思います。

私はその職探しの中で、転職エージェントからの紹介だけでなく、通常の求人サイトやハローワークも含めて障害者枠の仕事を色々と見ました。
その中には、確かに「単純作業」としか言いようのない低賃金の仕事の求人もありました。
基本的には知的障害のある方を想定した求人であろうと思われ、その受け皿として大きな社会的意義があることは間違いない一方、「自立せず実家に頼って暮らすことを前提とした給与額」であることもまた事実だと思います。

そうでなくとも、「補助業務全般」のような感じで職務領域がはっきりしない求人もあります。
これは悪く言えばいわゆる雑用係というか、工場であれば資材の片づけや運搬、事務仕事であれば書類整理や定型的なデータ入力などが想定されているようです。

これとは少し違うかもしれませんが、転職サイトとして有名なdodaが運営している障害者向けサービスのdodaチャレンジなどでは、よく「オープンポジション」という表現が出てきます。
最初から「こういう仕事ができる人を採用したい」「こういう部署に配属する人材を探している」と決め打ちで求人を出すのではなく、「実際に面接して、良さそうな人がいれば社内に適したポジションがないか探す」という感じの求人です。
このオープンポジションにおいても、前述の補助業務に近い一般事務に落ち着くケースがしばし見られると聞きます。


「責任がないぶん給料については高くは望まない」というのであれば、こういった雑務的な仕事で働くのはある意味「楽な仕事」と言ってもいいのかもしれません。
ですが、このような(悪く言えば)専門性の低い求人に対し、一般就労と同等の給与水準が設定された障害者雇用も少ないながら存在するようです。

例えば、障害者転職支援サービスとして知名度の高いatGPの内部のサービスで、「atGPハイクラス」というものがあります。
私自身はこのハイクラスの方の利用経験はないのですが、ウェブサイトを見ると「年収500万円-1000万円クラスを目指す」と明言されており、(おそらく対象は身体障害者メインでしょうが)相応のマネジメント経験や専門性の高いスキルがあれば障害者雇用でも年収4桁万円はありえるようです。


当然ながら、そのような仕事には給料に見合うだけの責任が伴うでしょうし、障害への配慮はしてもらえても「障害者だから」という理由で手加減してもらえることは一切ないでしょう。
ただ、「座ってるだけで何もすることがない」「雑用として荒く使われる」「キャリアアップは全く望めない」という仕事が実際にある一方で、専門職や管理職といった領域に関しては「障害者雇用の仕事は楽」というのが全く当てはまらないのもまた事実なのだろうと思います。

じゃあそんなお前は今何して働いてるんだ、という話なんですが、私は在宅のリモートワークで雇用され、主にウェブコンテンツの作成みたいなことをしています。
契約社員なので正社員ほどの安定感はありませんし、年収も200万円台ですが、現在は就学前の子供がいるために時短勤務にしてもらっているので、フルタイムになればもう少し上がるようですし、正社員登用の道も開かれています。
業務上の配慮を色々してもらっているとはいえ、そこそこに難易度の高い仕事をしていると自負しています。

しかし、(具体的にどことは言いませんが)とある転職ブログの記事では「障害者として就職したら刺身の上にタンポポを乗せる仕事を死ぬまでやらされる」などという、煽りにしても酷すぎる内容が書かれていたりします。
実際のところ、その手のブログはだいたい記事の作成を外注しており、同じブログ内の記事を障害のない人が書いていたり、発達障害のある人が書いていたり、それとはまた別の発達障害当事者が書いていたりします。
そのため、書いてある主張は記事ごとにバラバラで、はっきり言ってそのようなブログに参考にするだけの価値があるとは思えません。

発達障害らしき症状を自認しながらも、「障害者手帳を取ったら簡単な仕事にしか就けなくなりそうで嫌だな…」と思っている当事者やその家族を見かけることは実際にあります。
ですが、狭き門とはいえ、障害者雇用の仕事は単純労働ばかりではなく、一般就労の仕事と同じくかなりの幅があることは間違いありません。
生産ラインの仕事や清掃の仕事を下に見るつもりは全くありませんが、そういった仕事以外にも色々な選択肢はあるのだ、ということを当事者の方に知っていただきたいと思います。

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