発達障害の困りごと「感覚過敏」の体験談

発達障害の困りごとの多くは、周囲の人々はもちろん、自分の親にさえもなかなか理解してもらえないのが辛いところです。
「感覚過敏」はその最たるもののひとつでしょう。
私自身、「なぜ自分だけがこんな風に感じるんだろう」「誰にも理解してもらえない、もしかしたら自分は頭がおかしいのかな?」と考えた時期がありました。

発達障害の人全てに共通する特徴ではありませんが、多くの人が感覚過敏を抱えています。
人によって様々な感覚過敏がありますが、私が苦手としているものは、「裏起毛やウールニットのようなふわふわした生地の服」、そして「直射日光」です。
「発達障害」というものが全く認知されていなかった幼少期には、私のこの苦手意識は誰にも理解されず、色々と苦労しました。

前提として、私は小さい頃からアトピーを患っています。
肌に湿疹があると、ふわふわの生地が肌に当たってかゆいので嫌、というのはよくある話です。
私は、ウールのセーターやカーディガン、そして裏起毛のトレーナーがとても苦手でした。

母親も、そして私自身も、この苦手意識はアトピーが原因だと思っていました。
しかし今現在、私としてはこれをアトピーだけでなく感覚過敏が原因でもあったのではないか?と考えています。

というのも、私はマフラーが物凄く苦手だったのですが、私のアトピー症状は腕や体がメインで、幸いにも首や顔にはあまり症状が出ていないのです。
にもかかわらず、毛編みのマフラーのふわふわが首に触れてくるあの不快感はまるで針で刺されているようで、筆舌に尽くしがたいものがありました。

最近はコットン素材のマフラーが売られているので、冬場はそういうものを使っています。
また、ウールはダメでもシルクは大丈夫だったので、スーツを着てサラリーマンをやっていた時期は、マフラーの代わりにシルクのストールを愛用していました。

そしてもうひとつ、私は晴れた日の昼間の明るい日差しが大嫌いでした。
これに関しては、「視覚が敏感なため、晴れた日に外に出るとまぶしすぎてハレーションを起こしたように見える」というのがよくある話のようです。
ただ、私はそういう感じよりもむしろ晴れた日に外を出歩くと異常なほど疲れるという悩みがありました。

実際、雨や曇りの日は倦怠感が少なく、とても元気に過ごせたので、私は晴れの日よりも雨の日が好きな子供でした。
なんせ、晴れている日にはただ存在しているだけで一苦労なほどへとへとに疲れてしまうのですから、そりゃそうなります。
しかし、学校でこの話をしても、ネガティブな反応が返ってくるばかりでした。

「日光に当たると疲れる?そんな病気ないでしょ?」
「いや、日光に当たると皮膚に異常が出る病気はあるらしい。でもお前のは嘘だろう」
「漫画の真似でもしてんの?キャラ付けとしてやってるんだったらちょっと痛いと思う」
などなど。

あまりに誰からも理解してもらえないので、私は「そうか、この不思議な感覚は自分がおかしいだけなんだ。これは気のせいだ。そんな病気は存在しないんだから我慢して黙っていよう」と自分を納得させるという選択肢をとりました。
大人になって多少我慢できるようにはなりましたが、それでも一人暮らしをしていた大学生の頃は、休日は基本的にカーテンを閉め切って、日中は自宅から出ないことで自衛していました。
「他にこんな人はいないし、やっぱり自分はおかしいんだ」と悲しい気持ちになったことをよく覚えています。

しかし、発達障害検査を受けたことにより、自分に発達障害の症状が出ていることを知った私は、今まで自分を悩ませてきたこの感覚を「発達障害による感覚過敏だったのかもしれない」と納得することができました。
それまでずっと自分のことを「妄想でおかしなことを言う奴」として処理していたのが、そのカテゴライズから抜け出すことができたのです。
私にとって、これは非常に大きな出来事であり、メンタル面でもプラスの方向に作用しました。

ちなみに、逆に鈍感な部分もあります。感覚鈍麻と呼ばれているようです。
これは違うかもしれませんが、私の場合は自分の体調の悪さがよく分からないという悩みがあります。
例えば、「風邪かもしれない、ちょっと今日は休もう」というのが全然分からないので、「ちょっとしんどいな、風邪をひいたかな?」と自覚したときには既に動けないほど体調が悪化しています。

小学生の頃なんかだと、長距離の持久走をハイペースで走り続けて倒れるというのも何度もやらかしました。
これは未だにちゃんと自覚できないので、恥ずかしながら体調管理は妻に頼りきっています。

前に書きましたが、私は「発達障害が疑われる子供がいるにもかかわらず病院に連れて行かない親」が大嫌いです。

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この考えには、周囲から理解を得にくい感覚過敏が大きく影響しています。
感覚過敏にはさまざまなものがあり、少し触られるだけで強い痛みを感じる子や、大きな音が苦手で常にイヤーマフが手放せない子もいます。

発達障害というカテゴライズにより、本人に感覚過敏というものの存在を知らせてあげることは、日常生活を送る上での生き辛さの解消に大きな効果があると思っています。
少しでも多くの方に、そのことを知ってもらえればと思います。

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